- Epub3で「読み上げ+ハイライト」する電子書籍を作るツールを作っている話
- DAISYとEpubという2つの流れ
- じゃあ、なぜDAISYじゃなくてEpubでやるのか
- とはいえ、Epubにも問題がある
- じゃあ作ってみるか、となった
- やってみたら普通に難しい
- 方向転換
- コンテンツではなく「ツール」を作ることにした
- 今の構成
- やっていることの正体
- AIフォト診断バージョンの公開
Epub3で「読み上げ+ハイライト」する電子書籍を作るツールを作っている話

音声を再生すると、読み上げに合わせて文章がハイライトされる。 そんな電子書籍があります。
専用リーダーで再生すると、今どこを読んでいるかが視覚的に追えるやつです。 主に、弱視の方やディスレクシア(読字障害)の方向けに使われています。
サンプルがココに置いてあります。→ イージーリーディング - Google ドライブ
汎用リーダ:
パソコン Thorium Reader
スマホ、タブレット「Dolphin EasyReader」
Android https://x.gd/T43GU
DAISYとEpubという2つの流れ
この仕組みには、世界標準が2つあります。
- DAISY
- Epub(特にEpub3)
・まずDAISY。
DAISY Consortium が中心になって作られた規格で、もともとは録音図書の進化版です。
なので発想としては、
「テキストに音声をつけた」というより 「音声にテキストやナビ機能をつけた」
という感じです。
最初から音声ありきで作られていて、あとからテキストとの同期(ハイライトなど)が発展していきました。
・ 一方でEpub。
こちらは出版業界向けのフォーマットで、あとからアクセシビリティ機能が強化されていきました。 現在は W3C(World Wide Web Consortium)に統合されています。
Epub3では、DAISYの仕組み(音声同期など)も取り込まれていて、同じように「読み上げ+ハイライト」が実現できます。
じゃあ、なぜDAISYじゃなくてEpubでやるのか
結論だけ言うと、
「広く使われるフォーマットに乗せたい」からです。
DAISYはとてもよくできているんですが、
- 専用ソフトが必要
- 制作コストが高い(人手がかかる)
- 利用シーンがどうしても限定される
という特徴があります。
一方でEpubは、
- 一般の電子書籍と同じフォーマット
- 対応リーダーが多い
- 流通に乗せやすい
という強みがあります。
とはいえ、Epubにも問題がある
Epub3でも音声同期(メディアオーバーレイ)はできるんですが、
「簡単に作る方法がほぼない」
これが現状です。
じゃあ作ってみるか、となった
この分野に詳しかったわけではなくて、友人にDAISY図書を教えてもらったのがきっかけです。
「これ、Epubでもできるのでは?」と思って、試しに作り始めました。
そこは、性分というか、だいたい、いつも通りの流れです。世の中にすでにあるとは思いますが、ちゃんと調べていません。
やってみたら普通に難しい
最初は、青空文庫の作品を使って、子ども向けのものを自動生成しようとしていました。
ただ、
- 日本語の分かち書きが難しい
- 音声との同期も地味に難しい
このあたりで普通に詰まりました。Geminiにやってもらって4万円使い切ったのは、この話です。
方向転換
いろいろ試すうちに、少し考えが変わりました。
子ども向けDAISY図書は、支援団体やボランティアの方が次々と鋭意製作中です。
だから、子ども向けというより、
- 資格試験の教材
- 仕事の資料
- 長文の文章
みたいな、「大人が読むもの」に使えるほうが価値があるのでは、と。
特に、大人のディスレクシアの方にとっては、こういう仕組みがあるとかなり楽になるはずです。
隠れディスレクシアの方は意外と多くて人口の7〜8%。
じつは今回試してみたらあまりの読みやすさに、自分もディスレクシアかも?って思っています。
コンテンツではなく「ツール」を作ることにした
そこで、
「作品を作る」ではなく 「誰でも作れるようにする」 方にシフトしました。
目標はシンプルで、
- なるべく簡単に
- できれば無料で
作れること。
今の構成
現状はこんな感じです:
前回の A11yプロジェクトでは、Cloud Runも使っていたんですが、今回はコストがかかりすぎるので非現実的です。
今は「触れるハードルの低さ」を優先してColab(じつは裏側はCloud Runと同じプラットフォーム)に寄せています。
この辺の詳細は、また記事にしたいです。
やっていることの正体
まとめると、
DAISY的な「読み上げ+同期」の仕組みを、 Epub3で、しかも自動で作れるようにするツール
を作っています。
あ、肝心のツールはココ↓です。スマホでもできるけど、PCのほうがアップロードとかラクです。リーダーへの取り込みもPCのほうがラク。
↓ マニュアルとかはまだ作っている最中です。NotebookLMに作ってもらうと、なんかすっごく豪華見えすぎちゃうので加工中。
PC用・スマホ用Epubリーダーについても、ここに書いてあります。
さて話は変わって・・・
AIフォト診断バージョンの公開
こちらも引き続き、機能追加をしています。次はフォト診断のスマホ版を作ろうと思っています。このWebアクセシビリティチェッカー、すなわちA11yプロジェクトは、開発している間は、そこそこCloud Runを使います。
よかったら、こちらもご覧になってみてください。Webデザイナーの方にご感想いただけたらありがたいです。ためになります。

と、きょうはこの辺で。